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歯周病

「歯周病は高齢者の病気」という誤解

歯周病というと、若い自分に関係のない病気だと思っている方が大勢います。

歯がグラグラになって抜けるのは、自分たちの親の年齢になってからですので、そう思うのも無理はないでしょう。診察の結果、「歯周病ですね」と説明すると、年寄り扱いされたと誤解され、気分を害する方もいらっしゃいます。

知らないうちに病状が進行するため、年齢とともに重症の方が増えるのは事実ですが、実際に歯周病にかかりはじめるのは、早い人で10歳代です。20歳後半には、多くの方が歯周病にかかりはじめているので、実は、皆さんが思っているほど高齢者の病気ではありません。

この誤解の結果、まさか自分が歯周病とは知らずに放置して、年齢とともに重症化し、治療が困難になってから歯医者に通い始めます。しかも、症状がある時だけの通院を繰り返す方がほとんどです。何度も何度も歯肉の腫れや痛みを繰り返し、治療費と時間を費やし、結局最後は歯を抜かれ、入れ歯が必要になります。

それで終わりではありません。何とか残った歯も、長年の歯周病の結果、骨や歯肉が少なくなっていて、その支えが弱くなっています。入れ歯を引っ掛けている歯が次々とグラグラになり、次々と抜歯され、その度に入れ歯を作り替え、さらに治療費と時間を費やすはめになっているのが現状です。

この事態が、老化現象として「あっさり」受け入れられていることに驚きます。「歯周病は高齢者の病気」という誤解が、「歳をとると自然に歯が無くなる」という更なる誤解を生んでいるのです。

本来、永久歯は一生「抜ける」ことはありません。長い間、歯周病やむし歯が放置された結果、歯医者に「抜かれる」のです。 歳をとるから歯が抜けるというのは誤解です。

歯が抜かれる原因:歯周病は、歯を失う病気No.1

歯を失う原因の約4割が歯周病によるもので、年齢が高くなるにつれてその割合が急速に増加することが分かっています。
(平成17年 厚労省調査)

重症化した歯周病は抜歯しか治療法が無くなります。抜かれる治療を繰り返し受けるより、抜かれないために歯科を利用して下さい。

歯周炎は、歯を支える組織を失う病気です。

歯周病が進行して支えを失った歯は、もはや普通に噛む事が難しくなります。さらに、歯の位置が変わってきたり、歯が揺れるなどの症状が現れます。以前と比べて、硬いものが噛みにくく感じたら、それは歯周病が進行したサインです。

「歯周病は治らない」という誤解

もう一つの誤解は、歯周病は治りにくい厄介な病気であるという誤解です。

歯周病は、細菌によって歯を支えている歯肉や顎の骨が無くなる病気です。痛みがなく進行するのが特徴です。病状が放置され、歯を支える骨がゆっくり失われるとともに、噛む力に耐えられなくなり、痛みや歯がグラグラするようになって、初めて気がつきます。

しかし、ここまで進行してからの治療は、歯肉を切ったり、骨の移植をしたりといった外科処置が必要になります。それでも、失った歯の支えがもとの状態に治る事はありません。

歯周病が話題にされることは多いのですが、進行した重度の歯周病ばかりが注目されるため、「ひどく難しい治療が必要である」とか、「歯周病は治らない」と誤解されています。20〜40歳代までの方に多い、歯を支えている顎の骨が溶ける前の、かかりはじめの歯周病は治療でもとの状態に治ります。
成人の約8割の方が歯周病になっているというデータもあります。しかし、進行した歯周病の方は1〜2割程度で、多くの方は自覚症状のない初期の歯周病です。つまり、ほとんどの方は、歯ブラシと歯石の除去、かみ合わせの調整で、もとの状態に治るのです。

歯肉炎では顎骨の吸収がないので、もとの状態に治ります。

歯の周囲の顎骨が少し溶けているので、治療の結果、歯肉の炎症が改善して腫れが引くと、溶けた顎骨の高さまで歯肉は下がります。しかし、これ以上、顎骨が溶けるのを防ぐ事ができます。まだ、噛む力にも十分耐えることができます。

歯周病が進行するほど、歯の周囲の顎骨は溶けて無くなっているので、治療によって健康な歯肉に戻っても、全体に溶けて無くなった顎骨は戻りません。これが歯周病は治らないと言われる所以です。

しかし、このように進行した歯周病の方の割合は少なく、〜40歳の若い方にはほとんどいません。大多数の方は、早い段階から検査を受けて、治療を開始すれば機能的に問題がない状態に治ります。

重度歯周病の方の割合は低い。多くの方は治療を受ければ治る。

難しいのは治療ではなく、自分が歯周病であること、治療が必要であることを認識することです。歯を失った時の不便を想像し、そうならないための行動を起こす事が難しいのです。
多くの方の認識としては、「自分は若いからまだ歯周病ではない、それに面倒な治療はまだ必要ない。どうせ歳をとったら歯茎が弱って、自然に歯は抜けて無くなっていくのだから、どうしようもない」、こんなところでしょうか。でも、これは誤解なのです。

自分の歯で食事ができる。

今は気付いていない“この幸せ”に、多くの人ができるだけ早く気付いてほしいと願います。そして、本来この幸せは一生涯続くものなのです。永久歯は自然に抜けないのですから。

感染する歯周病

歯周病が原因で歯を失い、すでに入れ歯を使っている方へ。

早い段階で歯周病に気付き、治療を受けていれば歯を失っていなかったかもしれません。もちろん、今からでも遅くはありません。残っている歯を大切にして、より大きな入れ歯になるのを少しでも遅らせる、そういう治療を受けることをお勧めします。たとえ1本でも、歯を残すために出来る事は何でもするという意気込みで、前向きに取り組んで下さい。 私達は全力でその思いを支えたいと思います。

でも、やらなければいけない、もっと大切なことがあります。

歯周病菌(むし歯菌も同じですが)生まれたばかりの赤ちゃんの口の中に、自然発生するのではありません。無菌室で飼育した動物に菌がいないように、生活環境に菌が存在しなければ菌は自然に”わき”ません。では、歯周病菌はどこから来たのでしょうか。もうお分かりですね。知らないうちに大切な人ひとへ、歯周病菌をうつしている事を知って下さい。歯周病菌は家族間(親子間、夫婦間)で感染します。特に、口腔内の菌の種類が定まっていない、子供にうつります。

もうすでに入れ歯を使っているから、いまさら歯ブラシなんかやらないということは、一緒に生活している子供やお孫さんに、その菌を感染させる環境を作っていることになるのです。そして、歯を磨かない大人を見て育った子供達は、歯を磨かない大人になります。そして、自分も歳をとったら自然に歯が弱って抜けて入れ歯になると、思い込んでしまうでしょう。

入れ歯の不便さ、歯の大切さ、自分の歯で食べることができる幸せを、本当に伝えることが出来るのは、すでに歯を失った方々の大切な役割ではないでしょうか。

今一度、自分の歯で食事ができる幸せについて、考えてみて下さい。ご自身の歯を残せなかったという後悔を、次の世代に繰り返させてはいけません。大切なひとに、あなたの失った歯の大切さを伝えてあげて下さい。