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診療案内

診療環境(スタンダードプリコーション)

どんなに治療技術が優れていても、使用する器具や治療環境が清潔でなければ優れた歯科医院とは言えません。

使用する器具が清潔であること。
当然ですが、私たちはそれが最優先であると考えます。

「そんなことは当たり前」なのですが、歯科医院の感染対策は結構大変です。

診察用のミラーやピンセット、唾液を吸う管は比較的安価なので、どの医院でも大量に準備されており、患者さんごとに滅菌処理されております。

では、歯を削る器具や口の中にシューっと水や空気を出す器具はどうでしょうか。患者さんごとに交換されているのでしょうか。それとも、ただアルコールで拭いただけでしょうか。これらの器具は大変高価で、患者さんお一人ごとに交換できる歯科医院は少ないのが現状です。当たり前のことを、当たり前にするのが難しいのです。

当院では、たとえコストがかかっても、患者さんごとに交換することが、最優先であると考えています。

当院の取り組み

1.私たちは、患者さんごとに交換します。

使用した器具はミラーやピンセットだけではなく、多くの歯科医院で、拭くだけの消毒をされている、口の中にシューっと水や空気を出す器具(スリーウェイシリンジ)の先も交換します。この部分は、多くの患者さんの口の中に繰り返し入り、最も不潔な部分であることが示唆されています。(田島聖士ら ATPふき取り検査を用いた歯科診療室環境における清潔度調査 第24回 日本環境感染学会発表)

当院では、歯を削る器具、歯を磨く器具、歯石をとる器具は、拭くだけではなく、患者さんごとに交換をしています。

歯を削る器具、歯を磨く器具、超音波で歯石をとる器具も全て、拭くだけの消毒ではなく、患者さんごとに交換/滅菌します。
最近の器械は、感染対策としてだ液を吸い込まない機能がありますが、歯を削ったり、歯石の除去を行う際には、器具本体にだ液や血液が付着します。その為、科学的かつ合理的とされるCDC(米国疾病対策センター)の感染対策ガイドラインでも、歯を削る器具は患者さん一人ごとの交換が必要であると明記されています。

2.診療環境、水、空気にも配慮します。

診療室は全て個室。歯科は処置が多い診療科です。複数の患者さんが仕切られただけの同じ空間で、一斉に処置をうけるのはプライバシーの問題だけでなく、感染対策の観点からも、本来は好ましくないのではないでしょうか。

飛沫感染対策として完全個室診療室

歯を削る際の飛沫(しぶき)は、患者さんのお口を中心に5mまで飛散するとされています。仕切りだけでは隣りの診療台まで汚染されますので、診療台は全て個室にしました。診療台の付近は飛沫がかかる部分なので、ガーゼ缶や薬瓶などは置きません。

歯科の診療台には、水の管が通っています。診療台を使用していない夜間、この水の管の中に、微生物が繁殖することが知られています。その管を通った水が、お口の中に使用されることは、気持ちがよいことではありません。当院では、夜間、休診日はその管を清潔に保つ装置を使用しています。

歯に吹き付ける空気や歯を削るドリルは圧縮空気を使用します。圧縮空気を作る環境が悪いと、カビだらけの空気が送り込まれることが分かっています。私たちは、圧縮空気をフィルターを通すことで、きれいな空気がおくられるように配慮しました。

当院はスタンダードプリコーション

拭くだけの消毒で器具を使い回す診療体制では、問診をもとに感染症を有する方に使用した器具を、特別扱いで滅菌する必要性が生じます。ところが、ご自身が感染症に罹患していることを知らない患者さんもいます。また、感染症が無い場合でも、前の患者さんに使った器具を拭いただけで使われたら、気持ちがいいものではありません。

全ての患者さんに感染症があるという前提で、全ての器具を一律に取り扱う診療体制(スタンダード・プリコーション)をとりました。医院スタッフを介した患者さん間の感染だけではなく、患者さんから医院スタッフへの感染も防止するのが、スタンダードプリコーションです。

滅菌の方法も正しく行います

医療用洗剤を使用しています。

歯科器具には、血液、唾液といったタンパク汚れが付着します。これを、食器洗い用の洗剤(油汚れ用)で洗っても洗浄効果はありません。当院では医療用洗剤(タンパク汚れ用)を使用します。
また、いきなりアルコールで拭くことは厳禁です。生物化学の実験では、タンパク質を固着させるために、アルコールを使用します。つまり、唾液や血液汚れがついた器具をアルコールで拭くと、器具にタンパク質が強力に固着してしまい、不完全な滅菌の原因になるのです。

医療器具専用の洗浄/消毒器械を導入しています。

器具の洗浄が確実になるだけではなく、スタッフも指刺しによる院内感染の脅威から守るのが、スタンダードプリコーションです。自動洗浄機は最新の滅菌システムには必須の器械です。

滅菌の基本はタンパク質の洗浄除去ですが、これを人の手で行うと、器具を洗う人が指を怪我することで感染するリスクがあります。当院のスタッフが感染することも防止しなければいけません。そこで、当院では、医療器具用の洗浄/消毒器(ウォッシャーディスインフェクター)を導入しています。

一般的な食器洗浄器とは違い、医療器具の洗浄用にプログラムされた洗浄行程で洗います。唾液や血液などのタンパク質はいきなり高温で洗浄すると、卵にお湯をかけるとゆで卵になるのと同様に、器具に固着します。そこで、最初は低温で、タンパク分解酵素入り洗浄剤を用いて予備洗浄を行った後、100℃近い熱湯で洗浄します。これで、滅菌前に煮沸消毒されます。タンパク汚れを確実に除去されていることで、器具の滅菌の確実性は飛躍的に向上します。また、器具を一度消毒してから滅菌バッグに入れるので、スタッフの指刺しによる感染リスクも減少します。

より信頼性の高い滅菌を保つための器械を導入しています。

ClassB滅菌器は、通常の滅菌器では不可能な、滅菌バッグ内部や細管状の器具も確実に滅菌できます。滅菌バッグが乾燥した状態で滅菌完了し、滅菌性も保たれます。当院は2台体制で、全ての器具を滅菌しています。

滅菌は欧州規格という信頼ある規格のClassBに適合した滅菌器を使用します。ClassB以外の滅菌器で滅菌バックを使用すると、滅菌の確実性は著しく低下します。これに対して、ClassB滅菌器は滅菌バッグの中や、細い管の中まで滅菌が可能です。また、滅菌バッグは濡れると、滅菌性が保たれません。ClassB以外の滅菌器を使用すると、ビショビショに濡れていて、手で触るだけでバッグ内部まで汚染されますが、ClassB滅菌器では乾燥状態で仕上がってきますので、内部の滅菌性は維持できます。

滅菌バッグは一度使用すると、滅菌性が維持できませんので、滅菌バッグの再利用は一切いたしません。患者さんの前で開けるまで、清潔環境で保管します。

最後に

難しい内容にも関わらず、ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
器具は適切に滅菌されるべきであるという、当院のコンセプトにご賛同いただける方は多いと思います。清潔な器具で安心して安全な治療を受けたいと願うのは、当然です。

前述のように、丁寧に器具を滅菌しています。そのため、ご用意できる器具の数に限りがありますので、一日に大勢の患者さんを診る事はできません。ご希望の日時に予約が取れない場合があり、ご迷惑をおかけすることもあると思いますが、いつでも、何人でも受診できるというのは、器具を使い回しているという事にもなります。受診の際は事前にお電話での予約をおとり頂きますようご理解とご協力を、お願いいたします。

当院のバックヤードです。普段、患者さんにお見せする部屋ではありませんが、安心安全な診療を行う上で、ここは医院にとって最も重要な場所です。質の高い医療をすることはもちろんのこと、コストがかかっても十分な医療機器を設備し、正しく滅菌することが、患者さんの安心に繋がる。これが私たちの考えです。